延岡市   トロンボーン三昧の1日−延岡で初のフェスティバル
全員で「自由の鐘マーチ」を演奏

愛好者が集う−総勢65人による演奏も

 「トロンボーンフェスティバルin延岡2006」が六日、延岡総合文化センターで開かれた。県北で活動するトロンボーン奏者ら十五人が実行委員会をつくり企画。コンサートとクリニック、展示会などが行われ、訪れた多くの愛好者を楽しませた。同フェスティバル実行委員会(松原正幸実行委員長)主催。

 特別ゲストに近藤孝司さん(大阪センチュリー交響楽団首席奏者)を迎え、公募した三人に個人指導、楽器持参者にクリニックを行った。
コンサートでは近藤さんをはじめゲストや実行委員がソロやアンサンブルを披露。別室では、県内外の楽器店が持ち寄ったドイツ、アメリカ、日本などのさまざまなメーカーのトロンボーン四十本を展示。試し吹きをして購入できるとあり、訪れた人はゆっくりと品定めしていた。

 宮崎市から訪れた福田望君(大淀小三年)も「学校の吹奏楽団で今年からトロンボーンを始めました。吹きやすいもの、重いものなどがあって、どれがいいか迷います」と、たくさんのトロンボーンをうれしそうに試し吹きしていた。

 ガラスで仕切られた展示スペースには、一九〇〇年ごろに作られたというものも含め十本のビンテージトロンボーンが並んだ。近藤さんと松原実行委員長が所有するドイツやアメリカ製の貴重品で、松原実行委員長によると「ほとんどが今も演奏できる現役の楽器」という。

 また、延岡市の管楽器店「サヴァ」がこの日のために取り寄せたというトロンボーンアンサンブルなどのCDや教本、楽譜、メンテナンス用品も展示された。

 楽器を持参した来場者対象のクリニックで近藤さんは「毎日、少しの時間でもいいから練習してください」と強調。

 そして、ホースを使ったウオーミングアップ法や、自宅などで音をあまり出さずに練習できる近藤さん自作の「プラクティスミュート」を披露。また、腹に手を当て、へその下辺りを突き出すと同時に息を吹く吹管方法なども紹介した。

 クリニックとコンサートの司会は、テレビ宮崎の佐々木六華アナウンサーが務めた。佐々木さんも中学三年生の時からトロンボーンを始め、現在も宮崎市民吹奏楽団に所属。今回も「トロンボーン好きが集まるフェスティバルで少しでも役に立ちたい」と参加した。

 コンサートの最後は、近藤さん、実行委員、佐々木さん、クリニックの受講生など総勢六十五人による「自由の鐘マーチ」。小学生から五十代までが、初めてとは思えない息の合った演奏を披露し、観客からの拍手はいつまでも鳴り続いた。

 コンサートに訪れた是澤美穂さんは「トロンボーンは音程の取りにくい楽器なのに、すごく幅広くて細かい音が出ていました」と驚いた様子で話した。

 延岡商業高吹奏楽部の沢田優さん(二年)と高浦妃帆さん(一年)は「全員での演奏に参加できて、とても気持ち良かった」と感激。佐々木アナウンサーは「もっとうまくなりたいと思いました。刺激になりました」。

 松原実行委員長は「全員演奏が、どうしてこんなにうまくいったのか分からない」と興奮さめやらぬ様子。「クリニックで指導されたことを生かし、知らず知らずに全員の息が合ったのかもしれませんね」。そして、「大成功です。必ず第二回を開催します」と決意を述べた。


展示コーナーでトロンボーンを試し吹き
興味深そうにビンテージトロンボーンを見詰める
会場のいたる所でトロンボーン談議に花が咲いた
クリニックでは、マウスピースにホースを付けて吹く練習
司会や演奏でフェスティバルを盛り上げた佐々木アナウンサー(左)